増補改訂版『古楽器』よ、さらば!
新品価格 ¥ 2,750
中古価格 ¥ 1,608
発売元:音楽之友社 発売日:2000-11-01
音楽について考えさせられる本 評価:
一流の音楽家が何を考え、何を求めて演奏をしているのかがよく分かる本です。
音楽関係の本は好んで読んできましたが、音楽評論家と称する人たちが過去の著作を切り貼って作り上げたような物がほとんどであり、うんざりさせられることが多々ありましたが、この本はその対極にあるように思います。
チェロを演奏する人はもとより、他の楽器を演奏する人、演奏はしないけれどクラシック音楽を愛する人にとって、音楽のあり方を考えるよい契機を与えてくれると思います。
演奏もいいですよ 評価:
基本的にこの本はコンサートのパンフレットやCDのブックレット用に執筆したものを集めたもののようですが、この鈴木秀美さんはとても筆が立つ人なのです。
なのでいつも著者のCDを買うときはブックレットを読むのがひとつの楽しみになっています。
一般にクラシックのCDの解説書などというものはだれそれの作曲家がどこどこで作曲し、各楽章の構造形式がかくかくしかじかです、、、っていうのが延々続いて、演奏者のコンクールでの受賞歴がつらつら乗っているだけなのが多いです。
これまで著者のCDはほとんど買って来ましたがたいていレコーディングセッションの間のエピソードや共演者の人となりの描写などがエッセーとして巧みに描かれています。
商品説明のレビュー
バロック音楽を聴くに際し、ロマン派以降の厚く色塗られたモダン楽器奏法による演奏ではなく、バロック音楽当時の古楽器によるオリジナルな響きを聴こうという、いわゆる「古楽器演奏」は、いまや一般的になった。
だが、その定着の仕方は必ずしも自然なものではない。
ひとつには、レコード会社が新鮮な素材として飛びつき、政策的に推し進めたこと。
もうひとつは、古楽器演奏の理論が先行したことによるだろう。
「古楽器派」と「モダン楽器派」との間には、過激な革命分子と保守派とでもいうような一種トゲトゲしい関係性ができあがったのである。
著者は日本を代表する古楽器派のチェロ奏者で、モダン楽器からスタートし古楽器を手にするようになった。
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